新型コロナウイルスの感染拡大により、目に見えないウイルスへの不安から冷静な判断ができない人が多くなているのを感じています。
生活の先が見えない不安。
外出自粛によるストレス。
その中で、感情のはけ口を違うところにぶつけている人がたくさん出てきているように感じます。
いつもの状態なら「間違っている、悪い事だ」と判断できることでも、見えないウイルスという不安により正しい判断ができない。
コロナ差別の現状を紹介します。
Contents
医療従事者への差別、偏見
新型コロナウイルス感染症対策の最前線で戦ってくれている医療従事者への差別、偏見が大きな問題になっている。
医療従事者が子供を保育所に預けようとした際に「医療従事者は新型コロナウイルスに感染するリスクが高い。その子供も感染している恐れがある」などとして、子供の預かりを拒否されることが問題になっています。
保育所側も感染拡大の防止をするため、他の保護者からの苦情など、事情があるかもしれません。
ですが、医療従事者が子供を保育所に預けることができずに出勤できない。
そんなことになってしまっては、元も子もありません。
政府も「医療従事者は、感染防御を十分にしたうえで対策や治療にあたっている。新型コロナウイルス感染症の対策や治療にあたる医療従事者等の子供に対する偏見や差別は断じて許さない」と指摘しています。
自治体や保育所等の関係者に対しても「このような偏見や差別が生じないように十分配慮して欲しい」と要請しています。
このほかにも、医療従事者に対して「入店の拒否」「タクシーの乗車拒否」などが問題になっています。
新型コロナウイルス感染症をはじめとする医療確保のために粉骨砕身している医療従事者への差別・偏見は決して許されるものではありません。
コロナ感染者への差別、偏見
病気の被害者であるはずのコロナ感染者やその家族への差別・偏見も深刻な問題になっています。
三重県では、感染者宅に石が投げ込まれたり、壁に落書きをされるなどの被害があったといいます。
中には引っ越しを余儀なくされた人も…。
クラスター(感染者集団)が起きた障碍者施設では、苦情の電話が鳴りやまず「感染した職員をクビにしろ」という批判も…。
感染者のプライバシーをインターネット上で拡散させる動きも目立っています。
誰かを攻めれば物事は解決する。そんな思い込みが「犯人捜し」という行動になってしまっているのではないでしょうか。
このような中傷行為は、感染者が追跡調査に協力しにくくなり、感染拡大を防ぐ活動の妨げになっています。
ネット上に個人情報を流出させるのは人権侵害、名誉棄損、プライバシー権に違反する行為です。
損害賠償、慰謝料請求などが発生する場合もあります。絶対にやめましょう。
自粛警察の暴走
新型コロナウイルスの感染が広がる中、営業を続けるお店に対して強い口調で休業を迫る人達がいます。
ネットでは「自粛警察」「自粛ポリス」などと呼ばれ、中には嫌がらせや誹謗中傷のような行為も多くみられます。
「営業を自粛しなければ警察を呼ぶ」
「まだ営業を続けるのか?」
「自粛しなければ火を付ける」
営業していることを理由に、張り紙をされるお店が出てきています。
無断の張り紙は「軽犯罪法違反」
暴言が書かれた張り紙には「威力業務妨害罪」
屈辱する表現には「屈辱罪」にあたります。
法を犯す行為、間違った義憤に駆られて短絡的な行動を起こす前に相手の立場に思いを巡らせれば、このような道徳に反した行為は少なくなるのではないでしょうか。
従業員、家族の生活を守るために、自粛したくてもできないお店もたくさんあります。
このような状況で、好き好んで営業するお店の方が少数派ではないでしょうか。
まとめ
悪い事が起こった時、人は単純明快な理由を見つけたくなります。
新型コロナが蔓延した今の世界では、感染者が一番都合がよくわかりやすい。
でも、それは間違いです。
誰もが感染する可能性があるのに、それをたまたま運悪く感染してしまった人に押し付けるのは身勝手な発想。
こんな時こそ、相手の立場になって、よく考えてから冷静な判断、行動を心がけていきたいものです。